Digital, digital and digital

デジタルについてトッププロファーム勤務の藤谷が書き綴ります。

戦略再考 - Tech firm/事業会社における戦略業務 (1/n)

戦略業務の方法論の再構築

ファームからテック企業に転職して大分経つのですが、現職で戦略関連の業務に取り組むことが多く、戦略系の本と過去の自分の業務を振り返る様になりました。というのは、戦略業務においてファーム時代とまったく同じ様に実施するわけにはいかず、方法論の再構築を試みている為です。要は、事業会社における戦略業務の方法論の構築を試みているのです

従来の古典的Pure strategyとDigital strategyはまったくの別物

それに加えて、従来の古典的Pure strategyとDigital strategyはまったく別物であることの確信がどんどん強くなっています。その意味でも戦略業務の方法論の更新を行っています。このあたりこの本を読むと痛感します。著者はAlibabaの最高戦略責任者を勤めていた方です

アリババ 世界最強のスマートビジネス
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最近1日10回は聞く「DX戦略」については、安宅さんが流石の定義をされてました。プロジェクトでもそうなのですが、重要事項について最高の定義が出来ると物事が進みます

"DXはOldエコノミーが、AI×データ化すること(下の図で右に行くこと)"


DXとは何か?
https://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/07/25/004032

ファーム時代の業務を改めて整理しつつ、Digital/DX strategyに如何に発展させるかを試行錯誤しています。ここが今ぼくが一番燃えている領域です


戦略系の本でよく読み直すのはこの本です

 

  1. 良い戦略・悪い戦略
    https://amzn.to/3bVkBQz
  2. Blue Ocean Shift
    https://amzn.to/32nq3IZ
  3. Blue Ocean Strategy reader
    https://amzn.to/2Fno4LZ
  4. Strategic management
    https://amzn.to/3m8RmhU
  5. 世界標準の経営理論
    https://amzn.to/3bPb8dL
  6. シン・ニホン
    https://amzn.to/3kdORJE

良い戦略、悪い戦略

その中で、最もシンプルで分かりやすく、それでいてエッセンスを捉えている「良い戦略・悪い戦略」についてまとめます。著者のRichard Rumeltは、日本ではあまり有名ではない様に思いますが、McKinsey QuarterlyではStrategy’s strategistと賞賛されていますね。Rumeltの基本的な考え方は、企業のコアケイパビリティが業績を決めるというもので、Resource based viewのJay B. Barneyの流派ですね



Strategy’s strategist: An interview with Richard Rumelt
https://www.mckinsey.com/business-functions/strategy-and-corporate-finance/our-insights/strategys-strategist-an-interview-with-richard-rumelt

 

 


良い戦略の2つの特徴
2点が悪い戦略の特徴としてあげられています。
  1. 良い戦略は驚きである
    良い戦略に自ずと備わっている第一の価値は、新たな強みを生み出すことができる点にあるとされています。そして、良い戦略は重要な一つの結果を出す為に的を絞った方針を示し、リソースを投入し行動を組織するとされています。事例としてはappleの窮地を救ったJobsの施策が紹介されています。Jobsが「機会の窓」を捉えることに卓越していた点にも注目しています。機会の窓というのは、市場・技術の転換点などで発生するマーケット転換・開拓のチャンスのことです
  2. 強みを発見する
    良い戦略に自ずと備わっている第二の価値は、これまでとは違う視点から未知の強みやチャンスあるいは弱点や脅威を発見できる点にあるとされています。ダビデゴリアテの例が紹介されています。要は、強みと弱みに関する既成の見方は必ずしも正しくないのです。相手が持っていないもの、気づいていないものをどうやって見抜くか、そしてこちらの強みをどこに見出しどう活かすかということについて何らかの発見が出来れば卓越した成果を出すことがあり得ます。が、その強みはよほど注意を集中しないと見えてきません。このような「気づきから導き出された戦略」は、普通の強みを圧倒的な強みに変えることが出来ます。やはり「発見」が重要ということです。

 

悪い戦略の4つの特徴
4点が悪い戦略の特徴としてあげられています。

 

  1. 空疎である
    「華美な言葉や不必要に難解な言葉が並び内容がない。」
    EX
    われわれの基本戦略は、顧客中心の仲介サービスを提供することである
    →われわれの基本戦略は銀行であることである、と言っているに過ぎない 

  2. 重大な問題に取り組まない
    「重大な問題に対して、見ないふりをするか、軽度あるいは一時的と言った誤った定義をする」。
    これは企業戦略とはあまり関係がないのですが、Think Smartの中で取り上げられていた人間が最も大事なことに取り組めない要因の「始めてから成果が出るまでに、時間がかかるから」ということが大きい様に思います

    参考書籍
    Think Smart
    https://amzn.to/3kbC8H6

  3. 目標と戦略と取り違えている
    「単に願望や希望的観測を語っていて、困難な問題を乗り越えられる具体的な理由がない」。まあ、これはあるあるですね。よく見かける根拠のない毎年売上20%成長の事業計画みたいなものです。そもそも言葉の定義をちゃんとしていないことが大きい様に思います

    ところで戦略関連の定義って、誰もが納得する一般定義はいまだありません。本書では「戦略とは、何か野心を抱いたとき、あるいは何か新しい変化に直面した時に、リーダーシップや決意をいつどこでどの様に発揮すべきか、その道筋を定めること」と定義されています。やっぱりよくわかりません。

    ぼくはP&G出身の方が良く言われる「戦略=リソース配分」というのがスッキリしていて好きです。後はBlue Ocean Strategyみたいなアクションレベルまで落とし込まれている個別戦略も非常に好きです。やはり「何のアクションを取ったら良いのか」というところまで落ちてきていないと納得感がありません。何らかの結果を出すのは常に具体的なアクションなのです。そしてどういったアクションを取りえるかというのは、どれだけリソース配分がなされるかということが一番の変数なのです。
    --
    目的: 命題、 最上位概念、(多くの場合は企業ビジョン)
    目標: 資源集中投下の具体的な的
    戦略: 資源配分の選択
    戦術: 実現するための具体的なプラン
    --
    参考記事
    あるいは日本史上最高峰のマーケティング実録 - 森岡毅さんの著作 (1/)
    http://touya-fujitani.blogspot.com/2018/08/1_19.html


  4. まちがった戦略目標を掲げている
    「重大な問題と無関係だったり、単純に実行不可能であったりする」。これはIssueとfeasibilityの問題ですね。

ここまでくると、では一体良い戦略とは?と知りたくなりますね。この本良く出来ています。それでは良い戦略の定義とはなんなのでしょうか

良い戦略

 

  • 本書では「良い戦略とは最も効果の上がるところに持てる力を集中投下するに尽きる」、「良い戦略とは、自らの強みを発見し、賢く活用して、行動の効果を二倍、三倍に高めるアプローチにほかならない」とされています。やっぱりこれくらい平易な言葉に落とし込んでくれると、納得しやすいです

 

良い戦略の基本構造

  • 良い戦略の基本構造としては下記の3点があげられています。ここは特に一般的なことしか紹介されていない様に思います

 

  1. 診断
    状況を診断し、取り組むべき課題を見出す
  2. 基本方針
    診断で見つかった課題にどう取り組むか、大きな方向性と総合的な方針を示す
  3. 行動
    基本方針を実行する為に設計された一貫性のある行動をコーディネートして方針を実行する
良い戦略に活かされる強みの源泉
  • 良い戦略では、どの様な強みが生み出され活用されているか紹介されています
  1. テコ入れ効果
    良い戦略は、地力やエネルギーや行動の集中によって威力を発揮するとされています。ここぞという瞬間にここぞという対象に向かう集中が、幾何級数的に大きな効果をもたらすことを目指す。要はイシューを絞ったリソースの集中投下のことですね。
  2. 近い目標
    目標設定の階層の設定のことです。近い目標とは、手の届く距離にあって十分に目標を意味します。戦略実行の為のアクションプランの策定において非常に重要です。最重要課題に優先して取り組む為には、他の重要なことをすべてクリアできていなければならないことにも言及されています
  3. 鎖構造
    最も弱い箇所によって全体の性能が決まってしまう様なシステムは鎖の様な構造を持つち、どこかに弱い環がある場合いくら他の環を強化しても鎖全体は強くはならないとしています。これはTOCのことですね
  4. 設計
    ハンニバルの事例をあげています。戦略というのは元々は軍の為のものであったことは有名ですね。そしてハンニバルは、その領域での最高の天才とされることが多いです。ハンニバルの戦略には、あらかじめ入念に練り上げられたこと、敵の行動を予測していること、明確な意図を持って全軍のデザインを図るという3点の特徴があったことが言及されています

    ハンニバル研究の良書というのはあまり思い当たらないのですが、実は漫画になっていて、これがめちゃくちゃ面白いです。しかもハンニバルの戦略が学べるつくりになっています

    アド・アストラ ―スキピオハンニバル
    https://amzn.to/3iqeQwQ
  5. フォーカス
    様々な要点を一点にフォーカスすることの重要性が述べられています
  6. 成長路線の罠と健全な成長
    健全な成長というものは合併などの人為的操作によって実現出来るものではなく、独自の能力に対する需要増または、イノベーション・知恵・効率・創造性の見返りとして企業を成長するとされています。M&Aの成功率は30%前後ですからね
  7. 優位性
    現実の競争では双方が完全に同等ということはあり得ず、数多くの非対称が存在します。どの対象が決定的に重要かを探り出し、それを自らの優位に変えることがリーダーの役割とされています
  8. ダイナミクス
    戦略上有利な地位をどの様に生み出すかという点について、一つは自前のイノベーションによって作り出す、もう一つは変化のうねりに乗ること。テクノロジー、買い手の意識・嗜好性の変化などによって生み出される変化のうねりに乗ることがあげられています
  9. 慣性とエントロピー
    組織の慣性は、業務の慣性・文化の慣性・委任による慣性が存在し、そのモーメントを活用することが紹介されています
 
こう書いてくると、要は良い戦略というのは、「イシューをうまく捉えてレバレッジを効かせる為にリソースを集中投下すると共に、システムシンキングの概念等を取り込む」くらいの話に見えてきます。何だか戦略業務がとても簡単なことの様に思えてきますが、そんなわけはないのです。
 
そもそもイシューを捉えるということの難易度は常に最高峰です。それに加えて、構造化、各種分析スキル、仮説構築、イシュー特定、そもそもの戦略・ファイナンス・テクノロジー・各ドメインについての専門知識、などのスキルが絡んでくるのでやはりその点をどうするかというのが事業会社での戦略業務の課題です。やはりファーム人材はここを血反吐まみれになって学ぶというか、ここに時間と労力がかかるのです。
 
古典的Pure strategyとDigital strategyはまったく別の物であることについても今後書いていきたいと思います
 
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・戦略ファーム時代に読んだ700冊のまとめ+Tech company時代に読んだ本*随時更新  I.戦略
http://touya-fujitani.blogspot.com/2020/04/700.html

関連記事:濱口秀司さんの戦略・イノベーション

キーポイントシリーズはなぜ分かりやすいか - キーポイント 確率・統計 (1/)

あるいは最も投資対効果の高い数学書:キーポイントシリーズ


ぼくはキーポイントシリーズが大変素晴らしいと思っています。

キーポイント確率・統計

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端的に「数学の実用性」に焦点を置いている点がとても好感が持てます。そもそも99.9%の人は数学者にはならないのです。が、「数学が道具として必要な人」という意味だと世の大半の人が当てはまります。

あともう一つ優れた教科書の特徴として「網羅性を捨てている」というのがありますが、そもそもコンセプトからしてこれに適合しています。

そして分量が薄い。分量が薄いというのは非常に大事です。人間は一度に大量のことは考えられませんが、分量が薄くかつ対象そのものの情報構造が失われていない場合は、「対象の情報構造そのものを、最小単位の情報量で、頭の中に入れる」ことが出来ます。これが出来れば、後は「量をこなす」だけで、ガンガン進めていけます。余談ですが、英語という言語そのものに対してそれが出来ている名著があります。「英文読解入門基本はここだ!」です。私は実案件でも、「対象の情報構造そのものを、最小単位の情報量で、頭の中に入れる」ことをまずやります。その後の膨大な情報処理を効率化させる最も重要なタスクです。

目次は下記の通りです。1-5までは高校数学の範囲って感じですけれど、もともと大学1年生用ですからね。

1 確率・統計をなぜ勉強するのか
2 確率変数と確率分布
3 2項分布は「確率論」の始め
4 まれな現象はポアソン分布
5 正規分布はなぜ重要か
6 データ処理と標本分布
7 検定・推定の実際
8 確率過程とシミュレーション

プログラミング界隈におけるprogateもそうなんですけれど、こういうfirst barrierの障壁を徹底的に下げて、自走出来る状態まで持っていくっていう役割は重要だなあと思う次第です。

もう一つ優れた教科書の特徴として「言葉の定義、というより一般で浸透している言葉の再定義が巧み」というのがあるのですがこれは次回以降投稿します。

Shift 濱口秀司 (著) - イノベーションの最高の教科書 (7/)

引き続き、日本人の最高のイノベーターの濱口秀司さんの論文集Shiftについて書いていきます。名著というものは「使い倒す」ことが重要です、そしてそれが名著への最大の敬意だと思います。発売されて結構経ちますけれど、時間を見つけては読み込んでいます。

SHIFT:イノベーションの作法

 
目次は下記のとおりです。今回は"エクスターナルマーケティング"について取り上げたいと思います。
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第1回 イノベーションは誰もが起こせる
第2回 SHIFT領域の考え方
第3回 バイアスを破壊する
第4回 問題の本質から強制発想する
第5回 市場を実験場にしない
第6回 不確実性の中で意思決定を下すには
第7回 戦略意思決定の質を高める
第8回 ユーザーの心をいかにとらえるか
第9回 誰に何をどのように働きかけるか
第10回 プライシングを動的にとらえる

第11回 自由度の高いフェーズにリソースをかける
第12回 個人で考え切ってこそ議論の質が上がる
第13回 学ぶ者が教える者を超えなければ意味がない
第14回 不確実性を論理的に乗り越える ~SHIFTに関するQ&A

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー論文真のイノベーションを起こすために「デザイン思考」を超えるデザイン思考

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エクスターナルマーケティングとは

エクスターナルマーケティングとはなんでしょうか。
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エクスターナルマーケティング
企画してきた商品と実際の顧客をマッチングさせる考え方と手法
 

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クルターナルマーケティングは、「ユーザーの心のとらえ方」ともされています。


ユーザーの心をいかに捉えるか

ところで、マーケティングを考える際に非常に重要な点があります。それはいきなりユーザーペルソナをつくりはじめないことです。

「大ヒット」といえる数の顧客を獲得するには、「目の前にいる大多数の人たちにとって魅力的な商品を企画しなければならないのです。これが、エクスターナルマーケティングにおけるシンプルな原則です。何らかの企画をする際にまずペルソナを設定して、、、というのは実はその時点で大ヒットからは遠くなっているのです。ペルソナを細かくきった時点で獲得マーケットは小さくなっていますここは"常識"が故に誰しもが陥りがちな罠ですね。狙うべきは「特定のペルソナにうける商品をつくる」のではなく、「万人が共通して持っている心理をとらえる」ことなのです。

大ヒットを狙うならターゲットは「どこにでもいる標準的な人である」ことを前提にすべきなのです。かつ、本当に難しいのは「どこにでもいるユーザーの心理をとらえること」なのです。これは言われれば、腹に落ちるというか普通に常識的な話ですね。大ヒットする音楽なり、プロダクトなり、なんなりは誰しもの心理に何らかの形で訴求出来ているから大ヒットしたわけですね。

マーケティングを真面目に勉強している方ほど即時にペルソナ作成とかcustomer journeyに取り掛かってしまい、その時点で大ヒットから遠くなってしまうというのは結構な罠ですね。デザイン思考でイノベーションを起こそうとしてユーザーを注視してしまって失敗してしまう不幸と同じ構造です。ぼくはこういう「"常識"によって、みんなが失敗してまっていること」を指摘することは非常に価値があることだと思っています。

まずやるべきことは
どこにでもいるユーザーの心理をとらえること」なのです。どこにでもいるユーザーが購買意欲を駆り立てられる「デザイン」、「ファンクション」、「ストーリー」の三要素すべてを一貫性とある商品として設計し、ユーザーが三要素のいずれかに魅力に引き込まれる導線を仕込んで、確実に購買に結びつける、ということが基本的なプロトコルです。そのプロトコルに則るならば、思考のフローは「まずマーケット規模の大きいそうな領域のペルソナを切って、、、」ではなく、「誰しもに関係するメガトレンドはなんだろう、そして誰しもに訴求出来る価値(デザイン、ファンクション、ストーリー)はなんだろう」というフローになろうかと思います。

過去記事で取り上げていますが、"ユーザーの認知する価値"と"ユーザーへの価値の伝え方"について復習します。

 

ユーザーの認知する価値

この3点がユーザーの価値とされていました。
  1. 機能:利便性
  2. デザイン:情緒性
  3. ストーリー:意味性

機能は3つ程度で言えるもの、デザインはひと目で分かるもの、ストーリーは誰でも語れるものであることが肝要であり、またこの3つの整合性が重要とされていました。

ユーザーへの価値の伝え方

ユーザーの心のとらえ方には3つのアプローチがあるとされています。
  1. スナイパー型
  2. ハンター型
  3. フィッシャーマン型



スナイパー型もハンター型もユーザー像を想定して狙い撃ちするアプローチであり、単一商品か複数商品かという違いです。それに対してフィッシャーマン型は、提供価値の何か1点を起点として顧客を絡め取るということを特徴としています。デザイン、ファンクション、ストーリーのどこかでユーザーに共感してもらおうという方式です。要は猫も杓子もも多様性の時代では、こっちの方が成功しやすいのですね。

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Union Wine Companyのケース


Union Wine Companyのケースが紹介されていました。Union wineでは「ワーカがつくる、ワーカのためのワイン」というストーリーは出来上がっているものの、デザインファンクションの領域でストーリーと合致するShiftが必要でした。

ここで重要になったのが外部環境です。Union wineは自然に恵まれたオレゴンに位置しており、海・山・ウィンドサーフィンが出来る川・200本のバイクトレイルがありバイカーの楽園と言われることもある場所でした。そこでファンクションとして提案されたのが「缶入りのワイン」でした。過去に別企業の取り組みで缶入りのワインはことごとく失敗しておりましたが、アルミ缶の"運びやすい、割れにくい、冷えやすい”というファンクションはユニオンワインの外部環境に非常に整合性のあるものでした。

デザインにおいては缶入りであること自体が強烈なインパクトを持つことが期待されました。それ以上に
「ワーカがつくる、ワーカのためのワイン」というストーリーとの整合性が「缶入りのワイン」というデザインにはあることが想定されました。缶入りのワインというデザインは、「ワーカーがつくる、ワーカーのためのワイン」というストーリーを雄弁に語っています。が、このプロダクトがすぐにヒットしたかというとそうではありませんでした。
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その為、「鵜を動かすには、鵜飼いを動かせ」という発想で、ワインの作り手たちや流通の担い手であるバイヤーたちの間で話題になることを目指しました。作り手達はワインのバイヤー達への影響力が大きく、最終的には大ヒットになりました。要は「最終消費者マーケティングしよう」というのは必ずしも必須事項ではないのです最終消費者にメッセージを届けるというのは、通常最もコストがかかるアプローチです。

これだけでもうまくいきそうなものですが、
「最初の100人を確実に獲得する方法」、「ユーザーとのタッチポイントで5秒で確実と思わせる方法」についても記載されています。

長くなったのでまた続きます。

 

 
関連記事

Shift 濱口秀司 (著) - イノベーションの最高の教科書 (6/)

引き続き、日本人の最高のイノベーターの濱口秀司さんの論文集Shiftについて書いていきます。名著というものは「使い倒す」ことが重要です、そしてそれが名著への最大の敬意だと思います。発売されて結構経ちますけれど、時間を見つけては読み込んでいます。

SHIFT:イノベーションの作法

 
目次は下記のとおりです。今回は収録されている"DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー論文真のイノベーションを起こすために「デザイン思考」を超えるデザイン思考"について取り上げたいと思います。
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第1回 イノベーションは誰もが起こせる
第2回 SHIFT領域の考え方
第3回 バイアスを破壊する
第4回 問題の本質から強制発想する
第5回 市場を実験場にしない
第6回 不確実性の中で意思決定を下すには
第7回 戦略意思決定の質を高める
第8回 ユーザーの心をいかにとらえるか
第9回 誰に何をどのように働きかけるか
第10回 プライシングを動的にとらえる
第11回 自由度の高いフェーズにリソースをかける
第12回 個人で考え切ってこそ議論の質が上がる
第13回 学ぶ者が教える者を超えなければ意味がない
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前回記事に引き続き、デザイン思考でどうビジネスの結果を出すのかについて明確な方法論が記載されている本論文について書いていきます。

前回記事

Shift 濱口秀司 (著) - イノベーションの最高の教科書 (5/)  https://touya-fujitani.blogspot.com/2020/03/shift-5.html

デザイン思考の方法論とはなにか

デザイン思考の方法論には下記の2つがありました
  1. DTn (Design Thinking driven by needs)
  2. DTf (Design Thinking by frameworks)

DTnによってもたらされる結果が、「既存製品サービスの改善・改良」、DTfによってもたらされる結果が、「イノベーション」でした。ユーザーを注視するDTnがもたらす結果は既存製品サービスの改善・改良であるにも関わらず、デザイン思考=ユーザーを注視するという認識が広がっていることから、ユーザーを注視することがイノベーションを生んでくれるという期待を満たせないというのが現在のデザイン思考にまつわる不幸な状況ですね。イノベーションを生むことが出来るのはDTfなのでした。上の図で見てもDTnはイノベーションを生む方向とは完全に真逆なのです。イノベーションを生むための方法論はDTfです

今回はDTfによって、イノベーションをもたらす方法について解説していきます。


DTFは、"ーザーではなく、世の中に存在するサービスやプロダクトの"作り手"を観察するリエーター中心のデザイン"です。肝要な作業は、業界のプロの企画者達が陥るバイアス(先入観)を探す為のフレームワーク作成になります。バイアスの定義は、一般とは少し異なる下記のものでした

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バイアス:多くの人の一般的な考え方、人々の持つ複雑に絡みあった既成概念
出典:濱口 秀司. SHIFT:イノベーションの作法  
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イノベーションを生む際にフォーカスすべきなのは、ユーザーではなく、"作り手、クリエイター"なのです。ここって、本当に世のデザイン思考本では間違った指摘がされていると思います。世のデザインの思考でイノベーションを起こす際にユーザーにフォーカスするというのはミスリードなんですね。
 
DTfは下記3ステップから分けることが出来ます
  1. イデアのつくり手に着目し、彼らがいかにアイデアを生み出すかを考える
    これは換言するならば既成概念の構造化(フレームワーク化)です
  2. フレームワークからバイアスを見つけ、それを破壊するアイデアを生む。生んだアイデアにニーズを付加するDTfというか、濱口さんが物凄い結果を出すことが出来るのは、このプロセスを踏むと定義上既成概念を破壊することになるからですね
  3. 新規性も不確実性も高いアイデアに対して、実行の意思決定を行うこのステップについては次回以降の記事で解説します。
各ステップについて、詳細を解説していきます。

1. イデアのつくり手に着目し、彼らがいかにアイデアを生み出すかを考える
停滞した業界を破壊することが出来るようなアイデアをつくる為には、バイアス(
多くの人の一般的な考え方、人々の持つ複雑に絡みあった既成概念)を破壊しなければなりません。しかし天才でもなければ「構造なきものは破壊出来ない」のです。

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バイアスを視覚化して破壊する


出典:濱口 秀司. SHIFT:イノベーションの作法  
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論文中ではUSBメモリのビジネスモデルの開発のケースが紹介されています。


(補足説明ですがShiftが起こる領域としては下記で定義されていました)

Shiftが起こる領域

この3領域すべてShiftを起こすことが出来ることが望ましいとされています。i-phoneが一番の例ですね。特にDigital eraを意識して書かれているというわけではないのですが、現状のランドスケープに非常に整合しています。
  1. ビジネスモデル(B)
    ・いかにして立ち上げるか(起動)
    ・いかにして伸ばすか(成長)
    ・いかにしてライバルからの攻撃を防ぐか(防御)
    ・いかにして儲けるか(利益)
  2. テクノロジー(T)
    ・技術全般
  3. コンシューマーエクスペリエンス(C)
    ・人々の体験、生活様式を一新させるSHIFTのこと

USBのケースに戻ります。

C : 顧客体験
カスタマー視点のバイアスからはじまります。当時のインターネットの台頭によって大きなデータを保存する器は形を失い、形のないインターネットがその役割を担うと予見されていました。サービスのつくり手(クライアント、業界関係者)の誰しもがこのバイアスにとらわれていました。そこでまず "
触れる体験"に目を向けることになりました。つまり"体感できない x データサイズ(大きい)"から→"体感できる x データサイズ(大きい)"に遷移することでバイアスを破壊しているのです。ここで本当に重要なのは「バイアスを構造化したから、これが出来るのです」。桃太郎のバイアスの構造化の事例がありましたが、後から構造化されたものを見て、ああ確かにそうだねは誰にでも出来るのですが、その構造をつくるのは誰にも出来ることではないのです。桃太郎のバイアスはなんですか?と問われて、即答出来る人はそうそういないのです。

とにかく構造化出来なければバイアスを認知することは出来ず、それを破壊することも出来ないのです。
--
出典:濱口 秀司. SHIFT:イノベーションの作法  
--



T : テクノロジー

次に技術的バイアスの破壊です。当時のフラッシュメモリの専門家はドライバーインストール画面をなくすことは不可能だと主張していました。しかしUSBマスストレージクラスという補助記憶装置をPCに認識させる仕様を用いれば可能であることが判明しました。初めから無理だと決めつけてしまうと、別解を思いつくことは困難になります。専門家ほどこういう思い込みに囚われがちです。
--

出典:濱口 秀司. SHIFT:イノベーションの作法  
--



 
B : ビジネスモデル
最後にビジネスモデルバイアスの破壊です。顧客体験・テクノロジーのバイアスが破壊されUSBの開発見込みが立った際に、
クライアントはすぐにでも自社ブランドで売り出そうかとしていました。が、USBをクライアントの企画担当者(=つくり手)に説明した際に理解してもらうのに48時間も要したことから、ユーザー視点ではこれは新規価値・新しい行為に該当することを特定しました。説明コストが高いことを構造化のうえで明らかにしIBMDellに販売を委託しました。その結果、USBポートはPCの全面手元近くに配置されるようになり、フロッピーディスクの代替となるまでに時間はかからなかったという結果をもたらしました。この画竜点睛は非常に重要です。些細なことの様に見えますが、ここがなければ成功しなかった可能性もあるかと思います。
--
                            

 
出典:濱口 秀司. SHIFT:イノベーションの作法  
--




とにかく構造化できなければバイアスを認知することは出来ず、それを破壊することも出来ないのです。ここが最大のポイントですね。


長くなったのでまた続きます。
 
次回以降はアイデアを生み出す為のブレストについても書きます。しびれる言葉が沢山出てきます。"イデアとは具体性を持つ直感的なもの"、"切り口とは抽象的で論理的なもの"。うーん、かっこいい。
 
関連記事

統計 - それは誰もが見逃してしまいがちなサブスキルの参謀 (3/)

引き続き数学スキル、特に統計について書いていきます。サブスキルの参謀ですね

参考記事
統計 - それは誰もが見逃してしまいがちなサブスキルの参謀 (1/)
http://touya-fujitani.blogspot.com/2020/04/stascticsdatascience.html


前回の記事を書いた際に読者の方から指摘を頂いてなるほどと思ったことがあります、数学をスキルとして伸ばしてもData scientistの転職以外でのメリットが感じられないという指摘です。

ただ前回の記事でも書いたように数学、特に統計学
数字データというものを、どのように分析し、どのような判断を下したらよいかを論ずる学問です。大凡、社会人たるもの数字データは扱います。だから本来みんなに役立つ、みんなの為のものなのです。価値を生み出すボリュームゾーンは基礎的なところが分かってるというところにあります。Top data scientistだけ見て圧倒されてしまい統計の学習をしないのは、英語でSpeakingの道のりが遠すぎてReadingを放棄するのに似ています。英語でもどのスキルの価値のボリュームが一番大きいかと言われたら、そりゃReadingなのです。
 
そんな中で、ぼくがこんな本が必要だなと思っていた本当に良い本が出されていました。


データ分析のための数理モデル入門 本質をとらえた分析のために
https://amzn.to/2EOSBSt


https://amzn.to/2EOSBSt

著者の江崎さんは、東京大学先端科学技術研究センター特任講師。東京大学工学部航空宇宙工学科卒業、同大学院博士課程修了(特例適用により1年短縮)、博士(工学)。日本学術振興会特別研究員、国立情報学研究所特任研究員、JSTさきがけ研究員、スタンフォード大学客員研究員を経て、2020年より現職。東京大学総長賞、井上研究奨励賞など受賞、、、ということで、もうなんだかとにかくてんこ盛りですね。

 
ところで本書でぼくに非常に響いたページがあります、このページです。
---

 
出典:データ分析のための数理モデル入門 本質をとらえた分析のために
https://amzn.to/2EOSBSt
---
ここのページで記載されているように、「データをありのままの姿を見る」から「データに沿った数理モデルによる方法」に遷移するだけで物凄く価値が出るというのがぼくが思っていたことです。「仮定=数理モデル」というのは、大枠で「仮説」として捉えることも出来るかと思います。対象=データに対して「仮説」が使えるか使えないかというのは、分析というか思考そのものに大きな価値の差が出ます

特に記載されているここの3点が出来るかどうかで、データから生み出せる価値が俄然変わってきます。ぼくが思っていた価値のボリュームゾーンはここです。特にコンサルタントでも3が出来ない方が多いですが、ここをちょっと頑張るのは非常に投資対効果が高いです
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  1. 現象のメカニズムを客観的な方法で理解する
  2. データから未来のことを予測する
  3. コンピューターに高度なデータ処理・データ生成をやらせる
出典:データ分析のための数理モデル入門 本質をとらえた分析のために
https://amzn.to/2EOSBSt
---

あんまりお手軽なアプローチでもイケてませんが、かといってガチ過ぎるとやっぱり万人向けにはなり得ません。ここがsweat spotになっているなあと思います。ちなみに、各テーマをより掘り下げるのに良質な基礎書は下記です
--
  1. データ分析の力 因果関係に迫る思考法
    https://amzn.to/2oreFqD
  2. 現場ですぐ使える時系列データ分析~データサイエンティストのための基礎知識~https://amzn.to/3foBUtt
  3. Pythonではじめる機械学習 ―scikit-learnで学ぶ特徴量エンジニアリングと機械学習の基礎https://amzn.to/3ftTwnI
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要は、top data scientistになろう!とかではなくて、普通のビジネスマンの方が日常的な会議で出すExcelでの分析をちょっとアップグレードするだけで物凄く価値が出るんじゃないかと思います。その為にちょっと数学、特に統計・Pythonを勉強するといいんじゃないかなあと感じることが多いです。やってみてガチ勢に行きたくなったら今は環境は整っています。

参考記事
Statistics and Data Science from MIT - Probability - The Science of Uncertainty and Data (10/) 
 https://touya-fujitani.blogspot.com/2018/12/statistics-and-data-science-from-mit.html
 
ただやっぱり全体像を掴めないとモチベーションが湧かないというのが人間というものです。本書は全体像を分かりやすく提示した上で、各テーマのエッセンスまで超良質な説明をしてくれているのでおすすめです。やっぱり良い教科書は「言葉の定義が良い」と思います。ここの説明とかいいなあと思います

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「データをうまく説明する数理モデルは、データの生成過程をある程度捉えているだろうから、その数理モデルを調べてやれば理解に繋がるはずである」
 
出典:データ分析のための数理モデル入門 本質をとらえた分析のために
https://amzn.to/2EOSBSt
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機械学習モデリングの一分野に過ぎないということが自然に分かりますし、個人的には  "第四部 数理モデルを作る" とてもおすすめです。やっぱりそもそも数理モデルってこういうものなんだという感覚を掴んだ上で、数学の勉強をすると馬力が違う気がします。
 
それにしても最近、大学生の頃に学んだことの復習のようなことばかりしていて、しかもほとんどを忘れてしまっているので、「何かこれ、、やったな確か」みたいなことを思う度に複雑な気分になってしまうのですが、数学スキルの重要性を思うばかりなので攻めの一手ですね。
 
しかし本書は説明が良いです。DSで重要になる基礎概念・用語は網羅されているので初手の1冊として決定版が出たなと思っています。

参考書籍
データ分析のための数理モデル入門 本質をとらえた分析のために
https://amzn.to/2EOSBSt

関連記事
企業価値評価の名著 - たった5冊で十分過ぎるといつも思う
https://touya-fujitani.blogspot.com/2018/08/5.html

関正生さんの英語の説明はなぜわかりやすいか

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関正生さんという非常に有名な英語講師の方がいらっしゃいます。ぼくはボランティアで大学受験を教えているのですが、いまの高校生の間で一番人気と言ってもいいみたいです。で、ぼくも何冊か読んで見たのですが、確かにちょっとびっくりするくらい説明がわかりやすいというか、頭に入ってきます。ぼくは職業柄もあり「説明が異常にわかりやすい」というのは非常に惹かれます。これは一体なんだろうと思っていたのですが、

英語の"勘所"を簡潔にまとめた上で、新しい定義で説明しているから

ということかと思います。

ぼくの印象はSNSを使いこなしていることや、スタディサプリにポジショニングしていることが非常に今日的な予備校講師だなと思っていましたが、方法論自体新しいことに気がつきました。特に20万部売れているこの本を興味深く読みました。やっぱり「一番初級レベル」の本で著者の実力は一番出ますね。初級レベルは、情報量も、記載内容も一番大きく筆者に制限がかかるので、あまり誤魔化しが効かないのです。人間の頭は同時に大量の情報を処理出来ないという普遍の真理があるので、ここのニーズにいかに応えるかは、ぼくはいつも強い興味があります。

カラー改訂版 世界一わかりやすい英文法の授業
https://amzn.to/2JBMSkJ

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目次を見ていると、やはり勘所を伝えようといるというか、そこをクリアにしている点が関さんの強みの様に思います。「仮定法・助動詞」で英語のキモチを読み取る!」という文言が目次でPart2の名称自体になっていて、ああわかっている方だなあと思います。目次構成自体面白いです。Part2で仮定法が出てきて、Part5で5文型が出てきます。一般的な順番からはかなり変わっていますが、そもそも既存の方法論がわかりづらいから更新しよういうというスタンスなんですね。現役の高校生だと「教科書や学校では〜〜みたいに教えるけどそれはわかりにくくて、本当は〜〜」みたいな文脈での説明がわかりやすいと評判みたいです。関さんのこの情報の伝え方、伝える情報構造自体のつくりかたはちょっと参考になります。

まったくもって英語に限らないですが、こういう勘所を把握したうえで対象に取り組んでいるかどうかで練習の結果はまったく変わりますね。ぼくはテキストは書き込みだらけになる方で、これは一般的にはよくないことと言われることが多いのですが、要は勘所になっているところをマーキングしたり、自分で発見した勘所を書き込んでいるんだなと思いました。

英語学習 - 多読多聴の前に (英文法) 
http://touya-fujitani.blogspot.com/2018/07/blog-post_75.html?q=%E5%A4%9A%E8%AA%AD

英語学習 - Netflixを延々と見るのではなく。あるいは最も楽しい学習方法 
http://touya-fujitani.blogspot.com/2018/09/netflix.html?q=%E5%A4%9A%E8%AA%AD

大学受験の話かよと言われそうですが、コンサルティングプロジェクトでも残酷なまでにクオリティの差がでるIssue identificationとかプログラミングの早さとか全部同じ構造のように思えます。

それにしても、語り尽くされているものではあるものの「教える方が勉強になる」と本当に思います。どうしたら教え子が劇的に成長するかをかなり真剣に考えているのですが、その中で色々な発見があります。ぼく自身も新しく勉強しなければいけないことが多過ぎる現状にあるので、この機会に方法論をつくっていきたいと思っています。教え子は完全に関さんの本を使っていくようなので、ぼくも関さんの方法論はちょっと分析しようと思っています。

全然関係ないですが、教え子からは最近の面白いマンガも教えてもらっており、大変助かります(流石にライトノベルは読むきはしないですが、、いつか頑張って読みます)。なんだか最近社内のコンサルタントと話しても退屈だと思うことが多いので、今年はそういう時期だと思って社外の方との繋がりを多く持っていこうと思います。

この記事の会計版も後日書こうと思っています。

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テクノロジーをフル活用した学習として、AIによる英語発音学習アプリの決定版であるElsa Speakについて紹介しています
・世界で最も優れた 英語発音矯正アプリ - Elsa speak
https://touya-fujitani.blogspot.com/2019/10/elsa-speak.html
関連記事 : 英文法の重要性について解説しています
・英語学習 - 多読多聴の前に (英文法)
http://touya-fujitani.blogspot.com/2018/07/blog-post_75.html

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[戦略ファーム時代に読んだ本700冊のまとめ]
https://touya-fujitani.blogspot.com/2020/04/700.html

Digital, digital and digital
https://touya-fujitani.blogspot.com

 

2020年上半期の新規1軍入り又は不動の地位を固めたサプリメント

2020年も色々サプリメントの開拓をしています。飲みすぎじゃないかとよく突っ込まれますがダルビッシュ有選手も同じような感じなので特に気になりません。必要じゃないものは適せん使用を止めています。

 

2020年上半期の新規1軍入り又は不動の地位を固めたサプリメントを紹介します。

1. スルフォルファン

https://amzn.to/2QVb81j
スルフォルファンはファイトケミカルの一種でぼくは肝臓のケアを目的として飲んでいますが、脳機能の改善効果もあるようです。いつも参考にさせて頂いているパレオな男さんも高ランクを付与していますね。

脳の機能を高めてくれる食材を、効果が高そうな順番に7個ならべてみた
https://yuchrszk.blogspot.com/2015/07/7.html

個人的には2日酔対策に効く気がします。ぼくは普段完全に禁酒していますが、会食その他断れないケースがそりゃあります。次の日のパフォーマンスのダダ下がり具合にびっくりします。普段禁酒しているので余計に辛くなってしまうのかなとか思っていますが、かなり症状は改善します。

2. シルクマリン

https://amzn.to/2QZ8wPV
これは肝臓のパフォーマンスを上げる為に飲んでいます。これまでの試行錯誤の過程では、「普段の生活を最高のパフォーマンスで過ごす」ということを考えたときに変数としての2大トップは腸内環境と肝臓の様に思います。

3. ホスファチジルセリン

https://amzn.to/2WUHTRI
Brain boost系です。同僚から勧められたのですが、これは効きます。Working memoryがほんと良くなります。ただBrain boost系は何が効くかについて非常に個人差が大きいので色々試すのが重要です。

 


プロフェッショナルの仕事道具 - 本当にパフォーマンスを上げるサプリメント (Brain boost系 *随時更新中)  https://touya-fujitani.blogspot.com/2018/07/brain-boost.html

4. GR8

https://amzn.to/2Xz7Hjb
個人的には腸内環境を整えるという意味でGR8を超えるものはありません。不動の地位を欲しいままにしています。

5. ココア

https://amzn.to/2I59s2n
ココアは脳機能改善と食物繊維の為に朝ごはんで必ず取ります。チョコレート会社のマーケテイングのおかげでココアは脳機能改善はかなり認知されていますけれど、食物繊維が非常に多いことはあまり認知されていないですね。余談ですが、コンビニで売っている様な機能性チョコレートを買うことはコストが高い、実質的に糖分と質の悪い油の塊なので希効果が期待出来ないの二重苦です。避けましょう。pure cocoa100%が安価に売っているのだから、こっちを選択しない手はないのです。

6.青汁

https://amzn.to/2WTPAY7
青汁というかぼくが飲んでいるものは正確にはケールですね。細かいようですが、ほうれん草なのかケールなのかで、効果は結構違います。ぼくはほうれん草の方はあまり会いませんでした。食物繊維の為に取ります。青汁は「飲みやすい」ことが非常に重要です。続かないからです。


ケールとホウレン草で「おっさんの脳の劣化」が防げるかもだ!という話https://yuchrszk.blogspot.com/2019/06/blog-post.html

1日150gのホウレン草やケールで脳は11才も若返るhttps://yuchrszk.blogspot.com/2015/04/1150g11.html

余談ですが、ぼくは「小腹が空いたなー」と思うと青汁を飲みます。ここで余計なものを食べないという習慣が非常に重要です。

最近また新しいものを探し始めました。検討しているのはアシュワガンダです。

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