Digital, digital and digital

デジタルについてトッププロファーム勤務の藤谷が書き綴ります。

7.31 2023 _ Daily Digital topic

AWS, Meta, Microsoftという見事なまでに現状不自由している企業の座組み

venturebeat.com

Reelsがまさかこんなに上手くいくとは、、。やはりMetaは既存プロダクトへのAI活用で当座を凌ぐというのが構造になっていきそう

www.reuters.com

Andrew Ngってもう明確にAWS推しなんだな。提携あったかな

analyticsindiamag.com

LLMで物理ロボットの学習をサポートするって、物凄く筋が良さそうなアプローチ。googleらしい

www.theverge.com
AWSがGenAIのfree courseを出してくれている。相当なコンテンツの充実ぶり

aws.amazon.com



7.21 2023 _ Daily Digital topic

お、AndroidにもChatGPTが来た。あまりmobileで使わないけれど

decrypt.co

 

呼ばれたのは、Amazon, Anthropic, Google, Inflection, Meta, Microsoft and OpenAIの7社。appleIBMが入ってないか

www.nytimes.com

”New Social Graph”は言い過ぎにしても、今のMetaのポジションでのここのopen sourceの戦略は筋が良いと思うなあ。
 

Meta's Strategic Brilliance: Llama 2 May Be Their New Social Graph - MarkTechPost

 

Primevideoにシン・仮面ライダーがもう来ている。相変わらずの顧客体験価値の高さ

https://amzn.to/3DnL1sL

 

Threadsがもう減速か。やっぱりtwitterの方が、、、というのが皆んなの思うところなんだろうか

tech.co





7.19 2023 _ Daily Digital topic

昔のsearch経由のnewsでold mediaが沈んでいった構造の拡大版をGenAIがもたらすという構造かな。うーむ、決着点が見えない

www.npr.org

 

なんとなくMSがMetaを助けている構図に見えるけれど。metaverseと同じ構造。Metaが唯一関係が持てているのがMSな様な

www.engadget.com

 

まだ空いたわけでもないtwitterの空白のインパクトでThreadsがあれだけ伸びたからなあ。TikTokの空白は全世界が狙っている

www.bloomberg.com

7.11 2023 _ Daily Digital topic

このLLMの学習問題って、SNSのプライバシー問題と同じ構造に見えてならないけれどどう解決するんだろうな。Azure openAI service のリスクがあがってる気がする

www.theverge.com

 

ChatGPTみたいな革新的なものと、Threadsみたいなcloneに過ぎない両極なものが双方100Mを簡単に超えてくるのを見ると、やっぱり2023はランドスケープが新しく変わったのを感じる

techcrunch.com

 

Ultrawideモニターに2回連続大失敗して、大きければいいというものでもないということを学んだ僕はこのappleの取り組みに大期待。やはり最良のディスプレイサイズってありそう

www.theverge.com

7.9 2023 _ Daily Digital topic

Threadsとりあえずは成功という認識だけれど、やっぱりDigitalはこういうそんなに成功すると思ってなかったものが、なぜかうまくいったみたいな方がしっくり来る気がする

www.engadget.com

 

Digitalの空間が物凄く混んでいるなあというのが4年くらい前から本当に思うこと。昔は似たようなプロダクトが多くあったり、後から似た様なものがあっても、すぐにlegal actionではなく結構並走していた気がする

www.bbc.com

twitchは立て直し中ということだろうか。もっとプレゼンスが上がっていってもおかしくないと思うけれど

www.engadget.com

youtubeを教育方向に寄せていくの賛成だなあ。子ども用コンテンツから、受験用、MIT/Stanfordと流れが作れる気がする。が、すべて独力は難しいので、GenAIでサポートが入ると

techcrunch.com

 

 

MITが無料で公開している最新AIトピックへの講義 (随時更新)

MITがGenerative AIをはじめとする最新AIトピックへの講義を無料で公開しています。こういったものが凄く多く出ているのですが、特に内容が分かりやすく、かつソリッドで受講者への貢献性が高そうなものを紹介します。


MIT Deep Learning 6.S191

MITの素晴らしい講義が講義資料のpdfも含めて公開されています。どのトピックも皆んなが注目しているものばかりです。一気見をしてしまったThe Modern Era of StatisticsとDeep Generative Modelingが良かったです。特にThe Modern Era of Statistics MIT Introduction to Deep Learning がおすすめです。

 

introtodeeplearning.com



MIT Future of AI
ChatGPT, Stable-Diffusion & Dall-Eタイムリーなトピックがコンパクトに纏まってるMITの講義が公開されてる。やっぱりこういうのをバラエティ番組見るみたいに過ごす日々を送るのが重要だと思います。MIT FUTURE OF AI -Self-Supervised Learning and Foundation Models

 

www.futureofai.mit.edu

 

また特に素晴らしいものがあったら随時追加します。

戦略再考 (2/n) - Tech firm/事業会社における戦略業務 - Digital Strategyの特徴

ファームからtech companyに移ってきて、早数年が経っていますが、どちらかというとますますStrategistとしての役割が重くなってきています。一時期、pure strategyめいたことはファームよりも、tech companyの方が出来るなと思っていたこともあったのですが、やはり役割の違いにすぎませんね。それよりも日々確信が強くなるのは、従来の古典的なpure strategyとDigital strategyはまったくの別物ということです。過去の記事で書いたことですね

 [戦略再考 (1/n) - Tech firm/事業会社における戦略業務 / 良い戦略、悪い戦略]
http://touya-fujitani.blogspot.com/2020/09/strategy.digital.html

日々の業務の中でDigital Strategyって本当に色々言われるけれど、一体どう捉えるべきなんだろうなと常に考えています。そんな中で面白いカリキュラムをMOOCSで見つけました。下記のIITのDigital Transformationのコースです。IITというのは要はインドのMITと捉えて差し支えないと思いますが、IT領域では世界的名門校です。やはり何度も思うようにDigital strategyの場合は、最終的行われるアクションの重要性が非常に高いというのが特徴の一つのように思います。そしてそのアクションは当然にtech driven actionなので、やはりDigital strategistにはCSの専門性が求められるのです。この戦略策定の結果として取り得るアクションの専門知識が大きく問われる、そしてそれはComputer Scienceの専門性であるというのが、古典的なpure strategyとDigital strategyの非常に大きな違いなのですが、あまり強調して語られることはないように思います。

[Digital Transformation Certificate | IIT Bombay | Coursera](https://www.coursera.org/certificates/digital-transformation-iitbombay#program)
## Course 1 of 3
*Understanding the Digital World in the Context of Digital Transformation*
*What you will learn*
* Technologies behind digital transformation
* Business intelligence
* Artificial intelligence
* Machine learning
* Natural Language Processing (NLP)
* Computing infrastructure
* Digital security
* Technology stack development

## Course 2 of 3
*Building Core Platforms*
*What you will learn** Digital platforms
* Digital security
* Reasons for building digital platforms and business models
* Platform optimization
* Data management Implementation
* Role of ACID technologies in digital transformation
* Importance and impact of AI and IoT
* Methods for adopting ACID technologies

## Course 3 of 3
*Building Digital, Technical, and Leadership Capabilities*
*What you will learn*
* Methods for exploiting the power of core  operations
* Engage and connect to customers by harnessing customer networks
* How to craft a digital vision, strategy, and road map
* Innovate by Rapid Experimentation
* How to frame digital challenges
* Strategies to sustain the digital  transformation

比較として、HBSのStrategyのシラバスも並べてみました。しかしこちらですらNetwork Effectが入っています

[Business Strategy Course | HBS Online]
https://online.hbs.edu/courses/business-strategy/
*Module 1: Creating Value for Customers*
* Develop a foundational understanding of the value stick framework
* Learn how to make pricing decisions with a focus on WTP
* Distinguish the difference between sales success and WTP

*Module 2: Adding Value Through Complements*
* Learn to identify complements
* Understand the difference between a complement and a substitute
* Discover the power of complements as a competitive advantage

*Module 3: Competing with Network Effects*
* Explore the three types of network effects and how they increase WTP by directly connecting users
* Learn how to compete against dominant platforms

*Module 4: Creating Value for Talent*
* Discover ways to make work more attractive for your employees
* Understand the difference between lowering WTS and reducing compensation
* Explore workplace flexibility and learn ways to make work more attractive

*Module 5: Mastering Productivity*
* Discover why some companies are more productive than others
* Explore the power of economies of scale and minimum efficient scale
* Learn about opportunities to share value with your suppliers

*Module 6: Implementing Strategy*
* Learn to move from strategy formulation to strategy implementation
* Discover the importance of prioritizing strategic initiatives
* Learn to differentiate initiatives in a way that make them difficult to imitate


あまりBusiness strategyとDigital Transformationを比較しても仕方ないのですが、猫も杓子もDXな世界になったので両者の境界は非常に曖昧です。古典的なStrategyを得意とされている方がDigital strategyを担当されている場面も散見されます。実行パートで必要とされる知識について非常に深く求められるようになったというのが僕が戦略ファームに入った頃からは大きく異なる点で、Digital strategyの場合はその側面がさらに大きくなっているのが日々思うことです。

仮にBusiness strategyの世界観・視点だけで考えたとしても、アクション策定を伴わない戦略は戦略ではないというのがすっかり定説になりました (しかし、本当に不思議に思うのは、こんな当たり前のことが定説になるのに随分時間がかかりました)。すっかり戦略領域の古典名著になった『良い戦略、悪い戦略』でも戦略の基本構造は、診断・基本方針・行動とされていますね。ですので、取ることの出来るアクションのことについて習熟していなければ、真っ当なDigitgal Strategyを立案することが出来ないというのが要所かと思っています。また、そんな環境下では優れたStrategy director / managerというのは、必要に応じて従来の古典的なpure strategyとDigital strategyの両方の領域をスイッチした思考をするなというのがなんとなくの感想です。M&A並みかそれ以上に失敗率の高さが指摘されるようになったDXですが、うまくいっているものはそれが出来ているように思います。

なので、上記のIITのコースにあるようなアクションレベルの項目について深く学習するのは非常に有用というか、そもそも必須事項になってきているなとよく思います。戦略の先にある施策・手法・取り得る行動について詳しくてそこからの逆算で戦略を構想する流れと、あくまで戦略から施策を設計する流れの双方を頭の中でどちらも扱えることが重要だなとよく思います

もう一つうまくいくDigital Strategy PJの特徴は「リニアに進めていない」というものです。最近出ていたMckで最も読まれた伝説の社内資料という副題がキャッチーな『完全無欠の問題解決―――不確実性を乗り越える7ステップアプローチ』でも同じようなことが記載されていますが、これは本当にそうです。



戦略構築というのは以前はどちらかというと各ステップ丁寧にリニアに進めていくというのが手法だったかと思いますが、最近ではまさにこの図の通り各ステップ行ったり来たりするので、常に頭の中に始点から終点までの全体構造がありながら構想を進めていきます。ですので、終点であるアクションについての知識・経験が豊富なことはDigital Strategyでは極めて重要です。そして繰り返しになりますが、そのアクションについての知識・専門性というのはComputer Scienceに立脚したものがほとんどです。

 

Richard Rumeltの診断・基本方針・行動のフレームで考えれば、旧来のBusiness Strategy PJでは診断と基本方針を精緻に行えていれば、行動は自ずと導き出されるといった性格が強かったように思います。しかし、Digital Strategyの場合は行動の重要性が非常に高くなっており、診断から行動までの全体構造と最終的にどういう行動を取り得るのかということを豊富なCSの知識に基づいて頭の脇に置きつつも、最初の診断(=分析)をするといったことが有効なように思います。

なのでそもそもDIgital でどういったことが可能なのかということについての専門性が問われるのですが、これはComputer scienceの専門性に他なりません。やはり [戦略再考 (1/n) - Tech firm/事業会社における戦略業務 / 良い戦略、悪い戦略](http://touya-fujitani.blogspot.com/2020/09/strategy.digital.html)  で書いた通り、古典的Pure strategyはファイナンスの世界観であり、Digital strategyはComputer scienceと数学の世界観です。そして、その双方が求められるのです。現職ではMIT CS MSとStanford GBSのダブルホルダーが偶にいらっしゃるのですが、そういった現状を反映した存在であり、当然に非常に重用されます。ぼくの目指すところもこの方向性だなと最近よく思う次第です

戦略構築の最も重要な作業に、企業のリソースを集中投下するに値する重要かつレバレッジの効くイシューを探すというものがありますが、technologyが関与してくるとレバレッジの大きさはますます大きくなってきそうです。Digital strategyでは、Strategistの役割はますます大きくなると襟を正しています。

 

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