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デジタルについてトッププロファーム勤務の藤谷が書き綴ります。

最高のゲーム分析 - 「ついやってしまう」体験のつくりかた――人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ

絶賛の嵐の話題本です。なぜぼくが任天堂のシンプル(に見える)アクションゲームが好きなのか本当によく分かりました。最近、神本の出版がホント続いています。著者の玉樹真一郎さんは1億台以上売れたWiiの企画を担当された方です。

 

「ついやってしまう」体験のつくりかた――人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ

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ぼくが感銘を受けたのはこの図です。ぼくはこの図を見て、なぜ自分が任天堂のアクションゲームに、他のアクションゲームと違う感覚を持ち、面白いと思うかが分かりました。

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仮説「○○するのかな?」と相手に仮説を立てさせる試行「○○してみよう」と思わせ、実際に行動で確かめさせる歓喜「○○という自分の予想が当たった!」とよろこばせる

試行「○○してみよう」と思わせ、実際に行動で確かめさせる

歓喜「○○という自分の予想が当たった!」とよろこばせる


出典:
「ついやってしまう」体験のつくりかた――人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ

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ぼくがマリオやドンキーコングが好きなのは、ゲームの中で仮説・施行・結果のサイクルを物理的に回すことが出来る様にデザインされているからなんだなと分かりました。例えば、無双シリーズとか龍が如くみたいな、「まあ、ボタンを押し続ければアクションがクリアできるゲーム」よりも、任天堂のアクションゲームのほうが好きだなと思うのは、ここのサイクルを回すのがおもしいからなんですね。

 

ゼルダでも、仮説・検証サイクルを回しますが、それに加えて「対象を観察して、既知情報と結びつける」要素が入ってきます。こうやって書くとコンサル業務みたいです。

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出典:「ついやってしまう」体験のつくりかた――人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ

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ゲームって頭を使ってないみたいな文脈で語られることが多いですけれど、こうしてモデル化すると、ちゃんとデザインされている良質なゲームでは、頭を使っていることが分かりますね。そもそもゲームが認知機能に良いという研究は昔からあります。

今年も良質なゲームがどんどん出ていて喜ばしい限りです。