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デジタルについてトッププロファーム勤務の藤谷が書き綴ります。

統計学の名著 (入門書) - マーケティング過多の中で、何はともあれまずはこの6冊の名著から(随時更新)

統計学の名著6冊 + 問題集

専門家でもないのに思いっきり地雷を踏み抜きますが、最近の統計学は本当にマーケティング過多ですね。MITのコースの為に、OAZOの中で1hくらい統計の本を物色しましたが、やはり名著はそんなに頻繁には出ないんだなという普通の結論になり、1冊も買わずに既に持っているものの復習だなという結論になりました。
 
時代の流れに打ち勝てる名著は価値は変わらないですね。ここにあげた以上の内容ということになると、個々人の業務上の必要に応じた範囲に特化した本であるとか、論文になるかと思います。

過去記事
Statistics and Data Science from MIT will start soon
http://touya-fujitani.blogspot.com/2018/08/statistics-and-data-science-from-mit.html?view=flipcard

統計入門書

  • キーポイント確率・統計
    https://amzn.to/2C6BfyB
    このblogでは度々取り上げていますが、キーポイントシリーズは本当に素晴らしいシリーズです。なぜかというと、基礎領域を対象とする知識体系の基本構造を最小の情報量で記載してくれています。端的にいうと、とても薄いです。この薄さ(=情報量)だったら完全に頭にいれることが出来ます。似たシリーズに東京大学工学教程がありますが、こちらもとてもおすすめです

top engineerの同僚が持っていて知ったのですが、これはすごく良いです。高校の最も良質な問題集の大学版みたいなアプローチを取っています。筆者の高い理解度がそのままま本の内容に反映されているみたいな本です。ゼロから非常に深いところまで解説してくれています。こういうのあったな〜〜ってやつです。また重要定理の証明を問題として大量に掲載しており、これは非常に重要です
「単に証明を記載する」ということと
問題の中に定理の証明を組み込んで、問題を解いていく中で定理の証明も同時に学習出来る
というのは大きな違いで、後者は非常に貢献性が高いです。理三に入るような奴とかこの手の本を完璧にしていること多かったなーとか思い出しました。社会人になったいまでも誰しもが羨むtop engineerとかそういった層こそ、こういう本を完璧にしているところを見かけたりするわけです。キーポイントを読んだ後の1冊として非常にお薦めです。

  • 基本統計学
    https://amzn.to/2PVgtEY
    この本は名著中の名著なのですが、知名度が低いですね。本投稿で一番推したいのはこの本です。やはり「本来こういう本がもっと売れるべき」というのがありますし、そもそも「みんな変な本ばかり買って損してない!?」と思ってしまうからです。もう説明の仕方からして、他の「オススメデキナイ、、、」とは完全に一線を画しています。統計という領域で、ロングセラーになるのは強烈な理由があるのです。この圧倒的に高い「説明の質」は稀有です。


  • 確率と統計 - 情報学への架橋 -
    https://amzn.to/3O3yEoU
    この本もあまり知名度がない様に思うのですが、とても読者貢献性の高い名著です。説明が分かりやすく、そして定義が分かりやすい本です。定義の仕方が素晴らしいというのは名著には欠かせない特徴の一つですが、その点において突出しています。カルバックライブラー情報量が、そもそも何で、何に使われるのかといった根幹の説明を非常に高い質で行ってくれています。何冊も統計の本を読んだけれど、何を言っているのかいまいち腹落ちしないという方は本書を一読してみると良いかもしれません

  • データ分析に必須の知識・考え方 統計学入門 仮説検定から統計モデリングまで
     https://amzn.to/3sl8J2R
    新刊はチェックする様にしているのですが、久しぶりに基礎領域で名著が出た様に思います。説明と仕方と図解の双方がとても骨太・丁寧かつ分かりやすいです。


  •  

ベイス統計・統計モデリング

RCT(個別トピック)

  • データ分析の力 因果関係に迫る思考法
    https://amzn.to/2oreFqD
    新星としてに現われた名著です。これが1,000円以下というのはやはり凄いです。新書はこういう「たまに現れる名著」だけ相手にするのが吉ですね。


統計の問題集

MITのDSコースで "People can grow only by solving problems."というフレーズが出てきます。ぼくはこれが非常に好きです。英語もそうですが、統計はさらに"問題を実際に解くこと以外には大きな成長はありません"。数学って語学みたいなところがあるので、毎日訓練しないと伸びません。それと同時に、ABC予想の証明みたいな宇宙人がやる領域を除けば、正しい方法で毎日訓練すれば必ず伸びます。ここが救いがあるところですね。
 
以上の本のレベルを越えたら

  • 新装改訂版 現代数理統計学
    https://amzn.to/3b0jmiZ

    日本の統計の第一人者の竹村先生が書かれた名著中の名著です。長らく絶版に近い状態だったのですが、新装版が出てくれました。ここまで良質に語り尽くしてくれる教材って他のものはMITのものしか思いつきません。名著です



  • 現代数理統計学の基礎
    https://amzn.to/3r342rM
    統計検定1級対策にはベストの1冊だけど、数理統計学のテキストとしてはね、、みたいなよく分からないディスられ方をすることで有名。普通に優れた数理統計学のテキストだと思う。MITの準備の為の本として購入 現代数理統計学の基礎
 
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