企業価値評価の名著5冊
ぼくは代理店からファームに入ったという、別にそんなに珍しくもないですけど、それなりに少数派なキャリアです。なので、実案件でバリュエーションをはじめて扱った際には非常に驚きました。というのは、ほとんどCPA試験で出てくるDCFまんまやんと思ったからです。DCFなんて基本的に高校数学の範囲で出来るような作業なわけです。実際に業務として困難なのは精緻な事業計画を立てる作業の方なんだなと後になって知ることとなります。企業価値評価の定番本
ところで、価値評価の名著と言えばこの2冊ですね。ロングセラーになるからには、やはり時間の選別に耐えるだけの価値があるのです。企業価値評価 第6版[上]―――バリュエーションの理論と実践
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企業価値評価 第6版[下]―――バリュエーションの理論と実践
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ところでこの本の使用法の最大のポイントをご存知でしょうか。それは決して最初の一冊にしないことです。この本の最大の不幸って「目立つので、みんな最初の一冊として気合いを込めて購入して、挫折」というストーリーが多いことのような気がします。やはり分厚すぎます。分厚いというのは、それだけで本としてはかなりマイナスですし、使い道を選ばざるを得ないのです。人間の頭は一度の大量の情報を処理出来ないという鉄則があるので、いきなりこの2冊に飛び込むのは悪手なのです
特に下巻の第III部 上級編はCPAがFDDをする際にわかればいいんじゃないかというような内容ですし(第23章 クロスボーダーの企業価値評価を除く)や第V部 応用編は個別ケースにフォーカスを当てているので初学者はこういった内容の前に理解しなければいけないことがあります。例えば上巻の非常に力強いメッセージである、"企業の価値創造の大きさは、究極的にはROICと売上高の成長率、そしてそれをどれだけ維持できるかで決まる"などの内容がスッと理解出来る状態になるなどです。
どうしてもこの2冊の内容を事前に頭に入れておきたいという場合は、同じ著者から要約版が出ています。この本の存在もあまり知られてない気がする
企業価値経営
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この本で企業価値の評価方法は3種類あるけど、基本的にはIncome ApproachでDCFなんだなあとか。企業が将来にわたって生み出すフリーキャッシュフローを現在の価値に割り引いたものが企業価値なんだなあとか、Cost approachは簡易的な手法だなとかそういう感覚をざっくり得るのがいいかもしれません。ただやはりはじめから難しい本はあまりおすすめ出来ません
最初に買うべき企業価値評価の定番本
最初に買うべきなのは、既に評価が確定した感のあるこの3冊でしょう。この3冊をのんびり、じっくり理解しきってしまうというのが最初の一歩としては投資対効果のいいアプローチです。ところでBig4が担当することが多いので、稀にバリュエーションというのは会計士でなければ出来ないような業務と思われている方がいらっしゃいますがまったくそんなことはありません。というより、Big4のバリュエーションチームってUSCPAを持っているけどJCPAはないみたいな方が普通にいらっしゃいます。USCPAすらなかったりします。
ところで、本当に実務でバリュエーションを自分がやるとなると財務モデリングのスキルが必要となります。が、それもこの2冊で対応可能でしょう
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そう思うと企業価値評価って凄く簡単なことのように思えてきますね。関係ありませんが、FAS勤務の方の話を聞く限り案件単価も落ちているような気がします。が、今後も価値評価自体が極めて重要なことには変わりはないので、あくまでサブスキルとして身につけてしまうのが良いですね。
今後、何回かにわけて詳細な内容を紹介します。
企業価値評価入門の良著
凄く良い入門書が出ていたので、紹介致します。企業価値評価【入門編】
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これは入門編と割り切っている点が非常に良いです。この本でまずはザックリと把握するのが非常に効果的です。そこからの上で紹介している本というルートだと思います。
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