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デジタルについてトッププロファーム勤務の藤谷が書き綴ります。

Shift 濱口秀司 (著) - イノベーションの最高の教科書 (1/)

日本人の最高のイノベーター濱口秀司さん

唐突ですが、日本人の最高のイノベーターはどなたでしょうか。諸説出るとは思いますが、間違いなくTop3には濱口秀司さんは入るかと思います。その濱口さんが初の著作(論文集)を出版されました。これは大変な名著です。本には何年も付き合って読み直す度に新しい発見があるものとそうでないものがありますが、この本は間違いなく前者です。

SHIFT:イノベーションの作法

https://amzn.to/304w7T2

濱口さんの魅力が最大限に引き出されたインタビューは、このほぼ日刊イトイ新聞のインタビューだと思います。糸井さんは聞き手としては本当に一流ですね。

濱口秀司さんのアイデアのカケラたち。 
https://www.1101.com/hamaguchihideshi/index.html


名著 Shift:イノベーションの作法

一読目で「これは数十回は読み返すな」と思ったので、考えたことを記録しながら読んでいます。ぼくがこの本が素晴らしいなと思うのは、(非常に頑張って向き合えば)、誰もが使える方法論である点です。ぼくは方法論というものは「みんなが使える」ということが非常に重要だと思っています。一人の天才が画期的なものを編み出して社会が変わるみたいなこともいいんですが、各人が各々優れた方法論の実施者として活躍するという構造の方が社会の幸福に結びつきやすいと思うからです。例えば「桃太郎のバイアス」を構造化する、という練習問題が出てきたりします。桃太郎のバイアスって何?と聞かれてパッと構造がつくれるでしょうか?いやあ面白いです。重要なのは、そもそもそういう問いが持てるかという点ですね。ここからUSBメモリの開発や新国立競技場のバイアス構造に議論が展開していきます。

本書は非常に教科書的ですし、イノベーションの作法とは銘打ってますがマーケティング領域もカバーしています。いかにプロダクトをヒットさせるかという永遠のテーマについても豊富な事例をもとに思考フローを説明してくださっています。

 

ちなみに出版されて結構な時間が経っていますが、Amazonのレビューは19年8月14日時点で完全フルスコアです


いやあ、名著です。今後、数回に分けて得たものを記事にしていこうと思います。

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